2018年から適用される新ポスティングシステムを解説 【西武】菊池雄星で初適用か!?

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【19/05/25】一部修正。ポスティング対象となるのはNPB在籍6年以上かつ25歳以上の選手としていましたが、誤りでした。正確には、ポスティングを利用し、メジャー契約を結ぶには「NPB在籍6年以上かつ25歳以上」という条件になります。つまりマイナー契約であれば可能なようです。

セ・パのクライマックスシリーズが決着し、日本シリーズへと進むカープとホークス以外の10球団はストーブリーグへと突入している。

そんな中、流れてきたのが西武・菊池雄星のニュース。

西武の居郷肇社長は21日、ポスティングシステムでの米国移籍を希望している菊池雄星投手について「彼の夢なので、球団としても快く応援してあげたいなという気持ちです」と容認する姿勢を見せた。

【ソース:日刊スポーツ

菊池雄星本人は、入団前からMLB挑戦の意向を示していたから驚きはないが、CS直後「今は終わったばかり。まだ何も決めていない」と語っていた。

そこに球団側から応援するよ!と先に発信されてしまうのは、外野としては違和感を感じる。

まぁ、昨年の牧田和久のことを考えると他意は無いのだろう。西武球団としては、2016年オフに示した米移籍への課題を達成したという評価を外部へとアナウンスしたのかもしれない。

【17年の牧田和久】

昨年、ポスティングシステムを利用して西武からパドレスへと移籍した牧田の譲渡金は最初100万ドルに設定されていた。だが、途中から西武は移籍しやすいよう半額の50万ドルに譲渡金を下げ、後押ししている。

ところで、そのポスティングシステムの制度に少々変更があったというのはご存知だろうか?

今回は、2018年オフから適用されるポスティングシステムの変更点について解説する。興味のある方は、続きをどうぞ。

2018年オフから適用の新ポスティングシステム

導入されてから内容が度々変更されているため「新ポスティングシステム」と言われても何を指すのかイマイチわかりにくいが、とりあえず今回はこの名称でやっていく。

追々それぞれに名前がつくかもしれないが、それまでは「~年からの」で判断して欲しい。

 

さて、この新ルールは本来、昨年(2017年オフ)から適用されるはずだった。

だが、MLBの新労使協定(2016年オフ~)による25歳ルールを起点とした大谷翔平問題などすったもんだがあった末、日米間でも米と選手会の間でも合意に至らず……

とりあえず2017は、従来のルールでやって2018オフから新ルールということで落ち着いた、なんて経緯がある。

 

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大谷翔平に注目が集まっている中で、ルールはどうなる!?なんて少々ざわつきながらやっていた割に、最終的には従来のルールで進んだものだから、この変更については野球ファンでもあまり覚えていなかったりするわけだ。

新ポスティングシステム(2018)概要

制度適用期間2018/11/01~2021/10/31
(どちらか一方からの改正の申し入れがない限り、一年ずつ延長)
対象NPBプロ選手
注意事項在籍6年以上かつ25歳以上の選手でなければメジャー契約不可
譲渡金年俸総額(全年俸、契約金など)に三段階の比率を乗じた金額の合計額

  1. 2500万ドルまでの分 20%
  2. 2500万ドルを超えて5000万ドルまでの分 17.5%
  3. 5千万ドルを超える分 15%

計算例については後述

その他
  • 出来高契約については、獲得した出来高の15%を追加で支払い
  • マイナー契約の場合は契約金の25%
  • 譲渡金の支払いは、契約確認から14日以内に50%
    12ヶ月後に25%、18ヶ月後に25%
  • 出来高分については毎オフに支払う
申請期間毎年11/01~12/05 選手とMLB球団との交渉期間は30日間

譲渡金の計算例

年俸総額に三段階の~なんて言われてもピンとこないので、過去にNPBからMLBへと移籍した選手の移籍金を今回の新ルールで算出した場合を計算例にした。

元楽天・田中将大の大型契約、元広島・前田健太の出来高重視契約、元巨人・マイコラスのFAによる契約と三パターンの計算をしてみたので参考にして欲しい。

 

元楽天・田中将大であれば

 

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<<契約内容>>

7年総額1億5500万ドル (出来高なし)


<<譲渡金>>

2500万ドルまでの20% = 500万ドル
2500万ドル超えて5000万ドルの17.5% = 437.5万ドル
5000万ドルを超える分(1億500万ドル)の15% = 1575万ドル

譲渡金はこの合計2512.5万ドル(約28億円)となる。

※新ルールに上限が設定されているか否か今の所、不明。上限があるとすれば2000万ドル。

 

元広島・前田健太であれば

 

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<<契約内容>>

【契約金】 100万ドル
【年俸】 300万ドル ✕ 8年 = 2400万ドル
【出来高】 1年最大 1015万ドル ✕ 8年 = 1億620万ドル


<<譲渡金>>

【確定分】
契約金(100万ドル) と年俸総額(2400万ドル)の合計が2500万ドルであるから確実にはいる譲渡金は
2500万ドル ✕ 20% = 500万ドル(約5億6千万円)

【出来高分】
確定分の500万ドルに加えて、毎年獲得した出来高分の15%がはいる。
出来高最高額の1015万ドルを手にした場合は
1015万ドル ✕15% = 152万2500ドル(約1億7千万円)
が入ってくることになる。

【8年間の出来高を全て手にした場合】
152万2500ドル ✕ 8 = 1218万ドル(約13億6千万円)
つまり、新ルールで前田健太同様の契約を結んだ場合、譲渡金は最低500万ドル~最高1718万ドルとなる。

 

元巨人・マイルズ・マイコラスであれば

 

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<<契約内容>>

2年総額 1550万ドル


<<譲渡金>>

1550万ドル ✕ 20% = 310万ドル(約3億5千万円)

まとめ

計算例の中でも書いているが、譲渡金の限度額についてどうなったのかはっきりしていない(海外メディアでも変動性とだけ書かれていたので無くなった?)。だから断言はできないのだが、田中将大のような大型契約であれば、相当に大きな額の譲渡金が見込める。

【19/05/25:追記】上限2000万ドルと表記する米メディアを見つけました。確実とは言えませんが、上限が設定されている可能性が高く、上記のケース(田中将大のケース)と同様の契約であっても上限の2000万ドルとなりそうです。

その一方で、前田健太のように出来高を厚くした契約の場合、低く抑えることも可能だ(出来高達成したとしても3段階で分かれる比率の内、最も低い15%で計算されるため)。

 

また、交渉権獲得のために高額の投資が先に発生していたこれまでの制度と違い、譲渡金は契約によって付随してくる手数料のような扱いになっている。

となると大型複数年ではなくマイコラスのようなFA選手と近い契約になる可能性も高い。

 

何より、オプトアウトやバイアウトといったオプションについて想定されていないようなので、例え限度額が撤廃されていたとしても現実的には田中将大のような超大型契約による2000万ドル超えの譲渡金にはならないと考えられる。

(球団にも選手にもメリットが少ない)

 

移籍を目指す選手にとっては、これまでのような交渉権の縛りが無く、譲渡金も低くなることが予想される為、メリットの多い新ルールとなった。

しかし、譲渡金が減少することで、今後他の選手に所属球団がポスティングを容認するかは未知数だ。

 

また、MLBの労使協定により【6年以上の在籍かつ25歳以上】でない場合、メジャー契約が認められず、契約金にも厳しい縛りが発生するため、それ以下の選手をポスティングにかけた場合の移籍金はほぼ望めない。となると国内FAと同時に認めるような形になっていくのではないだろうか?

それならそろそろ海外FAについて見直すのがいいような気もするのだが……先日書いたブログ【紳士協定は限界 今こそ日米間に明確なルールを】でも少し触れたが、そろそろポスティングシステムも限界に来ているようには感じてしまう。

 

 

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